赤珊瑚(アカサンゴ)
赤珊瑚とは日本海近で採取される赤色の珊瑚を指します。その中で特に色の濃いものを「血赤(チアカ)」と呼び、主に高知県の土佐湾で採取されます。
生木(せいき:生きている珊瑚)と枯木(かれき:倒れた珊瑚)に分けられ、色の濃い血赤珊瑚の生木は希少で高額な値段で取引されます。
赤珊瑚 生木
海の中で生きている珊瑚です。岩から剥がした根本の部分(写真下)
研磨した生木の赤珊瑚
透明感のある鮮やかな赤色です。
枯木
海底で倒れた珊瑚は時間が経つにつれ風化が進みます。
研磨した赤珊瑚の枯木
枯れた状態で長時間海底にあると、微生物などにより分解され風化が進み虫食い珊瑚になります。
胡渡珊瑚(コワタリサンゴ)
地中海で採取される珊瑚を指します。「紅珊瑚」または「サルジ」(イタリアのサルジニア諸島周辺で採れるため)とも呼ばれています。ほとんどが小ぶりな枝なので、小さめの加工品が多いです。
桃珊瑚(モモサンゴ)
日本近海(四国、九州、沖縄)で採取される赤に近い柿色からピンク色まで幅広い色彩をもつ珊瑚です。現在はほとんど採れない「ボケ珊瑚(エンジェルスキン)」は、この桃さんごが淡いピンク色のものを指します。柿色と白が混ざり合った色調のものを「スカッチ」と呼びます。桃珊瑚にも生木と枯れ木があり、色の濃い柿色の桃珊瑚は赤珊瑚に次ぐ人気があります。
研磨した桃珊瑚
ボケ珊瑚(写真左)とスカッチ(写真下)
深海珊瑚(シンカイサンゴ)
研磨した深海珊瑚
「ガーネ」と呼ばれる色ムラのない深海珊瑚
姫珊瑚(ヒメサンゴ)・ミス
白珊瑚(シロサンゴ)
白色の珊瑚を指しますが、厳密にいえば採取される海で種類が分けられます。
日本近海で採れる白珊瑚、南シナ海で採れる姫珊瑚系の白珊瑚、東シナ海で採れる象牙色の「シナ海」と呼ばれる白珊瑚があります。
日本近海で採れるの白珊瑚の原木
所々にピンク色が入っているのが特徴です。
研磨した白珊瑚(日本産)
姫珊瑚系の白珊瑚の原木(写真左)とバラの彫物(写真下)
研磨前の東シナ海で採れる白珊瑚(シナ海)
研磨(加工)後のシナ海珊瑚
象牙のようなクリーム色が特徴です。
スポンジサンゴ・アップルサンゴ
スポンジサンゴ・アップルサンゴは俗称であり、学術名は「イソバナ(オオイソバナ)」という」紀伊半島から南の海に生息する珊瑚です。
多孔質でスポンジ状であるため多くの場合、樹脂コーティングが施されています。
イソバナ(オオイソバナ)の原木
軽石のような多孔質の珊瑚です。
樹脂コーティングされたスポンジサンゴ
黒珊瑚(クロサンゴ)
「海松(ウミマツ)」、「海唐松(ウミカラマツ)」という黒色の六放珊瑚です。通常は樹脂等でコーティングを施してあります。「ゴールドコーラル」と呼ばれる金色の珊瑚は一般的に黒珊瑚を人工的にブリーチ(脱色)したものですが、「キンヤギ」と呼ばれる天然の金色の珊瑚もあります。
樹脂コーティングされた黒珊瑚とゴールドコーラル(ブリーチ加工された黒珊瑚)
染珊瑚(ソメサンゴ)
「海竹(ウミタケ)」、「トクサヤギ」と言う珊瑚を染色したものです。
「海竹」、「トクサヤギ」は元々乳白色から象牙色の珊瑚ですが、ピンクや赤色に染められ、天然珊瑚として販売されている場合も多いので注意が必要です。
山珊瑚(ヤマサンゴ)として一般的に市場に出ているものは、「海竹」、「トクサヤギ」をぶつ切り、もしくは原木の状態で表面を赤く染色したものです。
チベット族等が土地から出る珊瑚の化石を赤く染めて使用していた名残から、これを「山さんご」と呼んでいるようです。
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